日時:2025年1月11日(土曜日) 午後2時〜4時
会場:京都市立芸術大学「講義室12」
参加者:32名
国家、宗教、人類、教養と続いてきた今年度の対談シリーズの最後を締めくくるテーマが〈お金〉というのは、意外に思う人がいるかもしれません。お金なんてまったく世俗的な当たり前の事物であって、お金が何かなんて誰でも知っている、と感じられる。けれども最も身近なものこそ、最も未知のものなのです。たしかにお金の正体を知らなくても、お金を取り扱ったり儲けたりすることはできます。これが実は落とし穴なのです。そうした日常生活におけるお金の「当たり前さ」から、私たちは社会や国家のレベルにおける経済や財政をも理解できると思ってしまいます。
銀行は私たちの預金を集めて融資を行なっているのでしょうか? 税金とは個人が給料をもらって生活するように国家が公共事業を行うための収入源なのでしょうか? 「国の借金」など言われる国債を発行すると、私たちが借金を背負って将来世代にツケを残すことになるのでしょうか? こうした問題を正しく考えるには、「世間ではこう言われている」ではなくて、貨幣とは何か、負債とは何か、税は何のためにあるのかを、自分の頭で考えてみる必要があります。
そこで今回は、税理士で衆議院議員の経歴をお持ちの安藤裕さんをお迎えしたいと思います。哲学が「自明にみえることをあえて疑う」試みであるとすれば、〈お金〉は哲学対話のテーマとして最もふさわしいとすら言えるでしょう。(吉岡洋)
1965年3月28日生まれ。
慶應義塾普通部、同高等学校を経て、慶應義塾大学経済学部に進学。卒業後、大手鉄道株式会社に入社。サラリーマンとして働きながら税理士資格を取得し、平成10年に安藤裕税理士事務所を開設。平成24年(2012年)第46回衆議院議員選挙に京都6区で出馬し初当選。以後三期連続当選。
この間、内閣府大臣政務官兼復興大臣政務官、自由民主党政務調査会総務部会部会長代理、内閣第二部会長代理等を歴任。議員連盟「日本の未来を考える勉強会」を創設し会長に就任。積極財政をはじめ、本来の保守思想による政策立案を主導した。コロナ禍においては100兆円規模の補正予算を提言するなど、積極的に政策提言を行ってきた。
【著書】『「稼ぐ」社長の経理力』(明日香出版社 平成23年)