哲学とアートのための12の対話 2024

土曜の放課後
After School on Saturday

 第6回 ゲスト対話3

〈人類〉について考えてみる

齋藤亜矢 x 吉岡洋

第6回 ゲスト対話3
〈人類〉について考えてみる
ゲスト:齋藤 亜矢(さいとう あや)

日時:2024年9月14日(土曜日) 午後2時〜4時
会場:京都市立芸術大学「講義室12」(A会場)
参加者:45名

 私たち人類、つまりホモサピエンスのことを、それ以外の動物や植物たちは、そもそもどのように見ているのでしょうか? いろいろと想像してみるのは楽しいですが、本当のところ、どうなのだろう。
人間の文明活動によって地球生態系は大きな変化を受け、それによって絶滅したり、数が減ったりした種がいることは事実です。しかしその一方で家畜やペットのように、人類と長く生活を共にしてきた動物たちもいます。彼らはそうした生活を通して、動物でありながらある意味人間のような存在になっていきます。多くの人は、そうして人間の文明に適応した生き物には馴染みがあるでしょう。
それに対して野生動物は、容易く理解したり仲良くなったりすることはできません。人間の生活域に野生動物(猿や猪や熊)が出てくると、彼らは即座に警戒や駆除の対象になってしまいます。けれども考えてみると、そのことによって彼らは私たちに〈人間とは何か〉という問いを突きつけていると言うこともできます。
次回はチンパンジーの描画についての研究で有名な霊長類学者・認知科学者の齋藤亜矢さんをゲストにお迎えし、人間にいちばん近い霊長類、おサルさんたちを通して、そもそも人間とは何なのか、地球や宇宙に人間が存在する意味とは何なのか、といったことについて「雑談」してみたいと思います。(吉岡洋)


齋藤 亜矢(さいとう あや) ——第6回ゲスト対談者

京都大学理学部、京都大学大学院医学研究科修士課程を経て、東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。博士(美術)。中部学院大学准教授等を経て、現在、京都芸術大学文明哲学研究所教授,京都大学野生動物研究センター特任教授。専門は芸術認知科学。
チンパンジーやヒトの「描く」を手がかりに、進化や発達の視点から「芸術するこころの起源」について研究している。著書に『ヒトはなぜ絵を描くのか—芸術認知科学への招待』(岩波書店)、『ルビンのツボ—芸術する体と心』(岩波書店)、連載に京都新聞夕刊「現代のことば」、『月刊アートコレクターズ』展覧会レビューなど。
https://researchmap.jp/asaito